冷房の効きが悪いのは、エアコンが古いからだと決めつけていた。
しかし、先日フィルターの掃除をしてみたら、部屋の冷え方がハンパなく向上した。
設定温度は28℃って、そんなもんじゃ日本の夏は乗り切れらんねーよ、と思っていたが、今までの感覚の温度設定でタイマーをかけて寝てしまって、翌朝腹を下したり、喉がイガイガしてしまったりするほど、我が家のエアコンは生き生きと働いてくれている。
エアコンの掃除をしながらふと思い出した。
学生時代のバイトのことを。
エアコンの清掃の仕事だった。
表立っては「ホテル内のエアコン清掃」だったが、現場の住所からしてそこがラブホテルだということは自明だった。
池袋で「ホテルメルヘン」みたいな名前だったと記憶している。
あ、「ホテルメルヘン2」だったかもしれない。
とにかく、めちゃくちゃに廃れたラブホだった。
大袈裟でもなんでもなく、学生の下宿場みたいな建物だった。
床はきしむし、明らかに声が漏れてくるだろうくらいに薄っぺらい部屋の扉。
どこを指してメルヘンなのかといえば、部屋ごとにあてがわれた「白雪姫」とか「シンデレラ」みたいな名前。
おそらく、数十年前には、世のアベックらの心を躍らせるにはこの程度で十分だったのだろう。
仕事を始めてもまだ客が入った部屋があって、客のナニ待ち状態が発生したが、彼らも、他のホテルが満室で否応なくここへ泊まる羽目になったんだろうと想像した。
それほどに古びた設備であっても池袋で存続できていることが信じられない。
ここからわかることは、日本人はド変態だということだ。
サヴァイヴ!ホテルメルヘン(2)!!
サヴァイヴ!僕らの遺伝子!!
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