女: 「でも、新しい恋を見つけたんだから〜」
男: 「うん…、まぁね…」
深夜のカラオケ居酒屋から出てきた、おそらく友人どうしであろう60歳そこそこの男女の会話。
性体験の低年齢化が現代社会の問題とされていたり、それでなくても、いまの子供達は僕が子供だった頃よりも様々な面で成長が速いということは言うまでもない。
是か非かということはさておき、間違いなくそうだ。
早く咲いた花はその分早く散るし、早く熟した果実は食べごろも前倒しになる。
成長が速いいまの子供達は、その分速く老いていくのだろうか。
60歳でもなお恋ができるだなんて、彼らにとっては夢のような、というかむしろ悪夢のような事実になるのだろうか。
最近、傘を買った。
愛用していた折り畳み傘が壊れたから。
ネットで良さ気なのを見つけて注文したら、先日はるばる北海道から届いた。
16本骨の丈夫な長傘。
ただ、異様にデカい。
折りたたみかビニ傘しか使っていなかったもので、傘の長さに全く頓着無く買ってしまった。
知らず知らず、65センチのものを買っていた。
僕にしてはちょいとデカすぎる。
慣れの問題なのかもしれないが、レースクイーンが持つような傘に思えてならない。
大勢の人が行き交う大都会では、この大きさは他人迷惑かもしれない。
そんな負い目を感じながら、僕はこの梅雨を過ごさなければならないのか。
こうなれば、傘を忘れて濡れている人を入れてあげるのもいいかもしれない。
そうだ、人情が感じられにくい大都会だからこそ、デカい傘は必要なのかも。